先週、講師と、
「私達はこの場所で店を開かなかったら、こんなに真剣にいじめ問題に取り組まなかったかもしれないね」と、話をしました。
この仕事を始めて15年が経ちます。最初に受け持った生徒にいじめがありました。
学校でも問題視されている子どもで、説教しても直らないばかりでなく、「うちの子だけがしているのではない。」と、親から怒鳴り込まれました。結局は退塾していただきました。その生徒はどこでもトラブルを起こしており、周囲は係わりあいにならず、孤立していったようです。
いじめについては仕事柄よく相談を受けますし、自分達のクラスで起こることもあります。また、ここは静岡県下一荒れた学区だった時があり、その時期は少しでもトラブルのある子は転落していきました。学校での学級崩壊もたびたびあり、当時の先生方の疲れきった表情は忘れられません。学校の先生の精神疾患発生率はとても高いのです。休職される方が後を絶ちませんでした。
去年、小学校時代に二年間学級崩壊を経験した学年を一斉授業で受け持ちました。一人ひとりはとても可愛い。しかし、集団になると大人に対しては全く反応が無いか反抗的、子供達の間ではけん制しあう状態で、この子達は将来どうなるのか悩んだものです。彼らのことは心理学の講座を受けた要因となりました。
子供時代に負の環境に接してしまうと、他人を許容すること受け入れることが難しくなります。その結果、人を信じられなくなってしまうようです。彼らは学級崩壊を通して大人の考え方や行動を観察してしまいました。そうなると次は自分達で大人に仕掛け、大人の反応を楽しむようになります。いじめることに慣れてしまった子供も同様、一筋縄ではいかなくなるようです。
また、こういうこともありました。三年前、当塾の生徒がいじめの対象となりました。トラウマがひどく心療内科を紹介し、転校をお勧めしましたが、転校しても傷はふさがらず不登校になっています。そして、同じ加害者がまた、他のターゲットを探して繰り返しています。今回もいじめの対象が当塾の生徒ですので、来週から話を聞いてアドバイスを与える予定です。
つまり、その加害者のお子さんは、諭されても叱られてもまだいじめを続けていることになります。何がそうさせているのか、根本解決をしない限りそれは続くでしょう。いじめは加害者も被害者も不幸にします。
そして、マスコミの煽りの影で深刻な問題も浮き上がってきました。今、首都圏中学受験熱が過熱し、それによる小学校内での学級崩壊やいじめが急増しています。それらを経験した子供達が、この先何を感じて生きていくのか不安です。それに対しては有効な手立てを立てられないでいる、つまりプロがいないのが現状です。
もし、中立な立場で解決に向けて後押しできる機関があれば、子供も保護者ももっと楽になるでしょう。
例えば事件が起きた場合、我々は行動のみに着目してしまいます。
こんな事例があります。
ある日、「イグアナが暴れているのでどうしたらいいか」という相談を受けました。親戚や知人に獣医師が多いので、相談されたのでしょう。輸送のためダンボールに入れようとしていてのことだそうです。友人の獣医師に尋ねると
「それは、怖いから暴れているだけだよ。イグアナが落ち着いたら下から救うように持ち上げる。ただし、イグアナの歯は鋭いから噛まれないように気をつける。もし噛まれても怖いから噛みつくのであって、決して大声を出したりしない。イグアナが怯えて、却って暴れるからね。」と、言われました。
事象の影には必ず原因がある。その原因を取り除く、または、軽減することで解決できることも多いのです。その原因を探る、そのときの対処法や方向を提示するのも私達の役目ではないかと考えます。
今、当社に集ってきてくれている子供達、保護者様に対しては微少でもお役に立ちたいと去年より心理学を学んでいます。多忙なので間を置きながらですが、決して実践無き机上の空論にしてはいけないと肝に銘じています。
「見ていても何もできない、しない」そんな状態を少しでも打破していけたらと考えています。
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15回の記事を書き終わりました。
重い問題でもあり、なかなか筆が進みませんでしたが、最後までお読みいただき感謝いたします。
来週からは、「女性が働くこと、それについての問題」について考えていきたいと思います。ある程度子育ても終了し、これで良かったのかとの反省があります。
また、会社勤務時代は管理職として、また、双子の母として、社会人学生として、個人事業主から会社設立とこれからのこと、取り留めのない内容になりそうです。(苦笑)
こちらは午前の記事となります。