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評価:
常見 陽平
角川SSコミュニケーションズ
¥ 819
(2010-09-10)
コメント:これからシュウカツを迎える方、特にweb主体で活動をされる方は必見です。「就職断層」がいかにシュウカツを蝕んでいるかがよくわかります。
Amazonランキング:
5575位
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求人誌からよく勧誘がありますが、わが社では外部に求人をかけることがあまりありません。
理由は、求職者に振り回されるからです。特に、幅広い層に長期間閲覧可能な媒体からの求職者にその傾向が強い。これは、どの求人担当の方も思われていることでしょう。
ですから、まず、よさそうな人材にこちらからお声かけします。そして、大体それで決まってしまいます。
今、シュウカツで全くその逆が行われています。
リクナビ、マイナビなどのwebによるエントリー制度です。
当然、広く多くになるわけで、かつ、有名企業が有利になります。学生も企業の担当者も振り回される一因です。
現在のシュウカツを、筆者は「就職氷河期」ではなく、「就職断層」と表現しています。
あらゆる層が閲覧できるwebで起こる現象です。その弊害は、前述したとおりです。
筆者はwebだけでなく、ビジネス誌、労働専門誌を継続して読むことを勧めています。本当に知りたい情報は、複数の媒体から判断すること。そして、誰もが閲覧できるwebには載せないことも多いことが分かります。
また、この本では、就職に不利と言われる、女子の就活、地方の学生の就活にも事例を交えて触れています。また、学校間格差、男女間格差、有名大学の中にもある学部間格差、大学就職課についても詳しく書かれています。特に、女性は、結婚や出産によるリスクが大きいので、長いスパンで仕事を考える必要があります。
最後に学校間格差について。
旧帝大系と東工大、東京外語大、一ツ橋大、MARCHなどの上位校の方は、まず、学内求人を見てからweb上の求人を見るようにすれば、情報の渦に巻き込まれることは少なくなるでしょう。
学校間格差問題はよく言われますが、学業に専念し、上位校合格を果たしたという結果は正当に評価されるべきです。いたずらに自分の評価を下げるべきではありません。
コメントありがとうございます。
本書の資料によると、求人数は確実に上がっているそうです。その情報の伝え方にムラがあり、また、人気も相まってこのような現象が起こるそうです。
マスコミが煽っている一面もありますので、それらも含め再考の余地がある問題ですね。