B子さんは比較的おとなしいタイプでした。成績も運動面でも普通。しかし、はしゃぐ時ははしゃぎ、おもしろい発想を時々して、目立たないけれど友達に恵まれたお子さんでした。また、書道に親しんできたせいで筆圧があり、安定した良い字を書いていました。
小4の秋、運動会が終わってしばらくたったころ、彼女の字が荒れ始めました。宿題も忘れはしないけれどもなんとなくおかしい。間違いが多くなり、立式の仕方や考え方に乱雑な印象を受けました。勿論字も汚いのです。
お母様は、学校のテストも含め間違いが多くなったということで彼女を叱ったようです。しかし、私はその奥にあるものを感じていました。
それは、いじめ。
彼女の口からは一言も聞かれませんでしたが、友達から聞きだしてみると、事例からあきらかにいじめであるという確認が取れました。
行事が多い学期は、忙しさや疲れから子供の心も荒れることがあります。そんなエアポケットのような時期におこったいじめでした。
ある教科の一定の単元だけが急激に点数低下したならば、これは学習の理解が出来ていないということでしょう。しかし、教科をまたいで、また、同じ教科でも複数の単元で急激な学力低下がみられたら、これは学習理解が原因ではありません。複数の原因を探ってみて下さい。子供は案外「恥の意識」が強く、口には出さずにこらえていることが多いようです。